アンティークキャビネットの脚が折れた場合の修復方法をご紹介します。
アンティーク家具の輸送中に残念ながら、キャビネットやチェストの脚が衝撃で折れることがたまにあります。そんな場合でもしっかり修復、お直しすればアンティーク家具は折れたキズもほとんど目立たずに蘇ります。
今回はお客様宅に宅配便にて輸送中の際にフランスのアンティークチェストの脚が折れてしまったので修復、修理してきます。
アンティークチェストの後ろ脚が完全に折れています。
うわ~ショックですね~、しかし、こんな困難なお直しがアンティーク職人シンタロウの腕が鳴ります!
まずは木工用ボンドで折れたアンティークチェストの脚を接着します。
このときちゃんと隙間なく接着できるか調整します。最初の調整が仕上がりを決めます。
ハタガネで脚の四方を締めて、ボンドが完全に乾くまで1日おきます。
しっかりと隙間なく締めるのがコツです。
はみ出たボンドは水で濡れたタオルで拭き取ります。
ちゃんと拭き取らないとあとが汚くなります。
ボンドが完全に乾いてからハタガネを外し、アンティークの折れた脚の強度を増すために細い頭のビス(スリムビス)を打ち込んでいきます。
残ったボンドもケンマロンで削ります。
ビスの頭を隠すために、アンティーク家具用のロウを埋め込んでいきます。
チェストの折れた脚の切れ目をアンティーク家具用のステインで補色していきます。
このぼかし方が技術の見せどころなのです。素敵~
アンティーク家具用ステインが乾いたら、先日のテーブルの天板の補修と同じようにシュラックニスを塗っていきます。
最後の仕上げにアンティーク家具用のワックスで仕上げます。
どうですか!完璧に修復、修理できました。
う~ん、素敵やん。
完全に折れたアンティーク家具のチェストが修復できました。
このようにアンティーク家具は少しの傷や破損はほとんど熟練の職人によって修復されて、いろんな方に使われ愛される家具なのです。
これからもハンドルのHPで素敵なアンティーク家具をご紹介していきますのでお楽しみに~